宮崎清之 (Miyazaki Kiyoyuki)
大工棟梁
宮崎建築社長。昭和33年生まれ。
16歳のころ名古屋で鉄工所に勤め始めるが、鉄をあつかうことが性に合わず木造建築世界へ。
18歳で光永組に弟子入りし、平成3年に独立。家族は夫人と3人の男の子。
家に対するお客様の満足というのは、その空間の居心地の良さだと思います。どんなデザインでも、築何年経っても、そこにいるとホッとする。それを作り上げるのが私たち大工の仕事であり、熟練の技なんです。
安恒組のいいところは世代を超えたお付き合いができるところです。たとえば、20年前に私の親方が安恒組でやった仕事は私も全部おぼえています。ですから、いざ修理になった時にも適切に対処できますし、仕事に妥協がありません。私の仕事もうちの若いもんや安恒組の3代目や4代目がが覚えていてくれるでしょう。家を建てるということは私たちとお客様の長いお付き合いの第一歩なんです。
本当にいいものは汚くならないように年をとります。そして磨けばさらに光ります。そんな「いい家」の醍醐味をぜひ味わっていただきたいと思います。


堀田俊光 (Hotta Toshimitsu)
左官
堀田工業社長。一級技能士。昭和38年生まれ。
高校卒業後、手に職をつけるため職業訓練校で左官技術を学ぶ。
その後、浜野組に弟子入りし、18年あまり勤め独立。堀田工業設立。
趣味は、らんちゅう(金魚)の飼育。
日本の伝統的な壁の造り方である漆喰は、最も日本の気候風土に合った工法としてこれまで脈々と受け継がれてきました。四季が移り変わるたびに、湿度が上がったりカラカラに乾燥したりする日本の気候。漆喰壁は、湿気を吸ったり吐いたりして、室内を快適に保つ役目を果たしています。
もちろん見た目も魅力で、美しさとともにぬくもりを感じさせてくれる漆喰の壁に惚れ込んでくださる施主さんは多いですね。クロスと違って、簡単に取り替えることはできませんが、面ごとに塗り替えれば美しさは蘇ります。ただ、汚れを重ねるうちに味になってくるのも漆喰の醍醐味。そこをぜひとも楽しんでいただきたいですね。
私が弟子入りした浜野組の親方・浜野徹太郎は、日本左官連盟副会長まで務めたこの世界の重鎮でした。自分に妥協がなく弟子にも厳しい方でしたが、親方のもとで一番弟子として知識、技術、仕事への姿勢などを学べたことは私の一生の財産です。特に社寺仏閣関連の仕事はおもしろく、日本の建築技術の奥深さを知ることができました。一方で、左官の世界も日々進化しています。伝統を大切にすると同時に、これからも日々勉強を重ねていかなくてはと思っています。


中島満則 (Nakashima Mitsunori)
中島瓦工事店専務。昭和38年生まれ。
社長である父・中島浅男とともに 屋根工事ひとすじのベテラン職人。
屋根工事職人の仕事は図面をもらって瓦を選び、見積りを出すところから始まります。施工中の屋根の上は夏暑く、冬寒い世界。真夏には65℃にまで上がり、熱中症との戦いです。そんな過酷な状況にいる私たち職人は、屋根が日光や雨、風から家と人を守ってくれるているんだということを身をもって実感しています。屋根選びや施工は本当に重要なんですよ。
私がおすすめするのはメーカーの名前が入っている瓦。これはメーカーの品質保証のようなものです。それからやはり日本の伝統瓦をおすすめします。はやりすたりのあるものはメーカーが生産を中止してしまう可能性もあるんです。そうなれば補充もききません。長く美しく暮らす選択が瓦にも必要だと思います。
もちろん施工の技術も大切です。日本は災害が多いので細心の注意をはらって瓦をふいています。今まで台風後の修繕依頼が来たことは一度もありません。
日本に限らず美しい屋根が続く街並みは感動的です。屋根は民俗の文化でもあるのです。
杉岡世邦 (Sugioka Toshikuni)
杉岡製材所専務取締役。
昭和44年生まれ。長崎大学経済学部経営学科卒。
大手印刷会社勤務を経て家業に従事。
木挽棟梁とは、木材の魅力と実力を最大限引き出すために、木の質と適材適所を見極めて製材する職人のことです。代々製材所を営む家に生まれ、「良い木材は素材が5割、さばき(製材)が3割、乾燥や加工が2割」と現社長の父から厳しく教わり、木を見る目と技術を培ってきました。私の場合、その家がどんな家になるかあらかじめイメージをつかみ、図面や打ち合わせから設計者の意図を読み取った上で、最適な木材をプランしていきます。ですから、ときには施工現場を見て回ったり、大工さんに材の向きを指定することもあります。
その昔は、材の提供者も深く家づくりに関わり、出来上がった家に対して誰よりも責任を負っていました。私も家づくりの輪の中で、施主様とともに住まいづくりへの「思い」を形にしていきたいと思います。私のご提案する九州の木には、心地よく美しい住まいを実現するチカラがあると確信しています。